私たちの国の水道は、神奈川県に近代水道が生まれて120年、ずっと公共のサービスとして「品質」、「供給」そして「価格」を守り続けてきました。

 例えば、品質面では、オゾン・活性炭を活用した高度浄水処理や地下水を高度処理・エアーストリッピング(エアレーション)処理した水道水の提供など、より安全で安心、美味しい水道水の提供のために弛まぬ技術開発を続けています。

 供給面では、例えば都道府県や市町村が緊急時のための連携ネットワークを築き、渇水や災害時に相互に助け合う仕組みを約束したり、水道設備や施設の総合的な耐震化が進められています。

 また、価格面では日常生活に直接関わる重大なものと捉え、「公正な料金」、「能率的な経営の下での適正な原価を基礎にした料金」、「事業の健全な運営を確保することができる料金」であることを厳密に検討し、市民モニターなど水道の利用者の声を反映して取り決めています。

 水道事業は、需要者の負担によって行われる公益事業であり、水道事業者、需要者、行政等、関係者が一体となって作り上げてきたからこそ、上記の大切なことが守られてきました。

 これが仮に民間の事業になってしまうと、安全な水を届けるための技術開発や、緊急時の対応、価格の設定。すべてが、水道事業を担う企業の判断によって決定されてしまう可能性があります。

 私たち全水道労働組合の組合員は、これからの水道を、水道を使う需要者や行政と共に作り上げる、公共のサービスとして、大切な暮らしのインフラとして守り続けたいと考えています。