第8号議案 事業の公共性を再認識し、水道法改正案の充実した審議を求める決議(案)

01.26

 水道法の一部を改正する法案(以下、水道法改正法案昨年の第193回通常国会で閣議決定されたものの政権の混乱により継続審議となり、194回臨時国会では審議には至ら衆議院の解散で廃案となった。195回特別国会では再上程に至らず、そして今年1月に開会した第196回通常国会で上程見込まれている

この間、水道法改正法案の内容が整理される作業プロセスにおいて私たち全水道は現場に働く労働者として組織対応を重ね事業の基盤強化に向けた取り組みを展望して課題の検討・共有を進めてきた一方PFI/コンセッションを導入する「水道事業での公共施設等運営権設定」については、かえって事業水道の基盤を損なうものとして多くの問題点指摘してきた。しかし「公共サービス・資産の民間開放」を推進する安倍政権の意向を反映し最終的には「水道施設運営事業」として公営事業の中で許可される仕組みが盛りこまれた。水道法改正案、基盤強化を展望する施策を基本軸に据えながら、一方でPFI/コンセッション事業を促進する玉石混合の内容を持つことなった安倍政権は「公共サービスの産業化として「生命(いのちの水」のライフラインである水道事業に触手を伸ばした

このため全水道は水道法改正案の国会審議においてPFI/コンセッション事業の問題を明らかにし法案に賛成・反対ではなく水道がすべての人々暮らしに関わる重大な事業であり「徹底した審議を求める」という立ち位置を確認し、院内外行動積み重ね「野党共闘」広範で充実した審議を求めてきた。この全水道の対応は、国会議員はじめ関係する人々とともに水道事業の重要PFI/コンセッション事業の問題ついて認識を深めることができたという意味では、一定の成果を上げることができた。

 しかし安倍政権とその支持補完勢力はPFI/コンセッション事業による経済政策の進捗を誇示するために今国会にはPFI法改正案も準備しマスコミによる水道事業を民間で運営」などのプロパガンダ続いている。

全水道は、予想される水道法改正の再上程審議において現場実態を知る労働組合として、改正案におけるPFI/コンセッション事業「水道施設運営事業」の問題点を明らかにしあらためて徹底審議を求める。水道事業「基盤の強化」方策が十分議論され、水道事業の安全安心水の公共性を社会経済的につくり出すために、水道事業と現場の労働の重要性が認識されなければならない法案審議は多くの人々にそれ訴えていく絶好の機会である

全水道は国会内で組織内外の議員との連携を強固に、労働者・市民との連帯を拡げ、水の公共性をめぐる広範な運動に取り組み、産別運動の前進で水道事業「基盤強化」実現をめざすこととする。

 以上、決議する。

2018126

全日本水道労働組合

145回中央委員会

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