連合は1月23日、経団連との労使会談を開催し、春闘交渉が開始された。会談で連合神津会長は「労使の枠組みの中で改善を図ることが、改革の原動力を形成する」として、安倍首相が経済界に3%の賃上げを求めたことに対し、労使が主体的に議論を深める必要性を強調した。一方、経団連榊原会長は賃上げについて「従来よりも踏み込む」としながらも、相変わらず「年収ベース」での賃上げを検討するにとどまり、連合の要求する「月例給の引き上げ」との乖離は大きい。
経団連及び企業は、すべての労働者の、いわば社会的要請である月例給の引き上げに向け、その社会的使命を果たさなければならない。
今春闘においては、連合の定昇込み4%という賃上げ目標に向けた取り組みとともに、長時間労働と格差の是正が大きな焦点となっている。
1月22日に開会された第196回通常国会では、いわゆる「働き方改革関連法案」が重要法案としてあげられている。しかし、時間外労働の規制は過労死水準並みの上限規制であり、均等待遇に関しては一定の格差を容認したものとなっている。さらに、裁量労働の対象拡大や、労働時間ではなく成果によって賃金水準を決定する高度プロフェッショナル制度の創設など、労働時間規制の撤廃を目論む危険な内容を含んでいる。
安倍政権による欺瞞的な「働き方改革」に強く抗議し、真に労働者の健康と生活を守るための労働時間規制と均等待遇の導入・実現を求めるものである。
労働者間の賃金格差はその幅が拡大しつづけている。大企業と中小企業の賃金格差は大きく開き、一方で同一企業内の男女間賃金格差も容認できない水準に達している。また、いわゆる非正規労働者と正規労働者の賃金格差も顕著になっており、これらの格差を放置するわけにはいかない。
本年は改正労働契約法、改正労働者派遣法により有期雇用労働者や派遣労働者の無期転換ルールが適用となる。しかし、既に年度末をもって派遣切り、雇い止めなどの動きも例年に増して多くなっている。
「働き方改革」なるスローガンに埋没し、雇い止め対策を行わない安倍政権を許さず、すべての労働者が安心して働ける社会をめざしていかなければならない。
全水道は底上げ・底支えによる格差の是正と、過労死・過労自殺をなくし、労働の対価としてある賃金の大幅引き上げを求め、2018春闘を新たな闘いのスタートとして全力で取り組み、あるべき公営企業の姿を取り戻すとともに、公共サービスに関わるすべての労働者の労働条件に対する社会的合意形成を求めていくものである。
以上、決議する。
2018年1月26日
全日本水道労働組合
第145回中央委員会