第10号議案 憲法改悪反対、民主主義を守り、沖縄辺野古新基地建設反対! 脱原発、反差別の取り組みを強化する決議(案)

07.29

 憲法施行からちょうど70年となった今年53日、安倍首相は日本会議が事務局を務める、改憲を訴える者たちの集まりに寄せたビデオメッセージで、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたいと強く願っている」などと述べた。これについて58日の予算委員会における野党からの追及に対しては「国会における政党間の議論を活性化するためのものだ」などと的外れな答弁を行っている。しかも、「自民党憲法改正草案は取り下げるのか」などの問いに対して、安倍首相はインタビューが掲載されている読売新聞を読むよう発言するなど、首相としての品性・資質を完全に欠いた発言を行っている。

 安倍首相は、これまでの様々な言動から、改憲そのものを目的化しており、「憲法9条に自衛隊を明記」との発言は、改憲のための自衛隊の政治的利用であり、絶対に認められない。

 こうした安倍首相の前のめりな改憲の動きに対して、自民党内からも異論が出されている。安倍首相による改憲策動を許さず、憲法理念の実現と平和憲法を守っていかなければならない。

 先の通常国会では、いわゆる共謀罪法案が極めて不十分な審議のみで、与党の数の暴力により一方的に「可決・成立」した。これは、かつての「治安維持法」同様、政府・権力者を批判する者を弾圧する手段として利用される危険が極めて高く、民主主義の破壊につながりかねない。私たちは自由と民主主義を死守し、労働運動、市民運動などへの弾圧を決して許さず、共謀罪法の早期廃止と安倍政権の即時退陣を強く求めていく。

 沖縄では、政府・沖縄防衛局による辺野古・大浦湾埋め立て工事が強行されつつある中で、嘉手納基地ではSACO最終合意に反するパラシュート降下訓練が繰り返し行われている。政府は、辺野古新基地建設や高江ヘリパッド建設を、SACO最終合意を理由としているが、一方でSACO合意に反するパラシュート訓練を容認するなど、二枚舌を駆使し、沖縄県民を一層苦しめている。沖縄県民の民意を尊重し、直ちに辺野古新基地建設を中止することを求めていく。

 この間、不当な長期拘留を余儀なくされていた沖縄平和運動センター議長は、公判開始となった318日夜、ようやく保釈された。有刺鉄線の切断や、米軍基地前にブロックを積む程度の微罪での長期拘留は弾圧以外の何ものでもない。不当な弾圧を許さず、平和フォーラムとともに裁判支援の取り組みを進める。

 昨年12月、福井県の高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が、関係閣僚会議で正式に決定した。しかし、同時に新型高速炉計画の推進と、核燃料サイクルについても継続するとしており、さらに20183は青森県六ヶ所村の再処理工場稼働予定となっている。

 福島では、今なお8万人近い被災者が苦しい避難生活を余儀なくされている。しかし、政府は自主避難者に対する支援打ち切りを強行し、その一方で各地の原発を再稼働させ、さらには原発輸出も進めている。福島第一原発事故を真摯に反省し、「原発はいらない」という多数の民意を尊重すれば、原発再稼働などあり得ない。今こそ脱原発とエネルギー政策の転換が求められている。

 昨年は4月に障害者差別解消法が施行され、6月にはヘイトスピーチ規制法の成立、12月には部落差別解消推進法が可決するなど、あらゆる差別の撤廃に向けた法整備が進んできた。しかし、アジア諸国への差別や部落差別が深刻化している背景には、戦後一貫して差別が放置されてきたこと、差別に対する充分な教育が行われてこなかったことなどがある。

 私たちは法整備を求めつつも法律主義に陥ることなく、あらゆる差別の撤廃に向けて様々な団体との共闘をはじめ、差別と闘う仲間に寄り添い、差別と向き合い、闘わなければならない。

 全水道は、これまで同様憲法の改悪に反対し、沖縄辺野古新基地建設阻止、脱原発、反差別・人権確立の闘いを、右傾化する社会の中でも旗を高く掲げ、より強固な団結で取り組むのである。

 以上、決議する。

2017729

全日本水道労働組合 第71回定期全国大会

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