本日、私たちは第71回定期全国大会を開催し、一年間の闘いを総括するとともに、2017年度運動方針を確立した。
政府は、これまで国会で三度廃案になった、共謀罪の構成要件を拡大する「組織的犯罪処罰法改正案」を、でたらめな国会運営の末、圧倒的多くの反対の声を完全に無視し、数の暴力によって強行可決・成立させた。共謀罪の適用拡大は、かつての「治安維持法」同様、言論の自由を弾圧し、民主主義を破壊する極めて危険なものであり、自由と民主主義に対する重大な挑戦である。安保関連法とともに共謀罪法の廃止を求めていかなければならない。
安倍首相は自民党総裁として憲法施行70年をむかえた今年5月3日、日本会議が事務局を務める改憲を求める集会においてビデオメッセージで「憲法9条に自衛隊を明記」「2020年新憲法施行」と言い放った。安倍首相の名誉欲にまみれた改憲策動を許してはならない。
沖縄では、3月末で岩礁破粋許可が期限切れとなったにもかかわらず、政府・沖縄防衛局は4月以降も工事を強行し、4月25日には護岸工事に着手している。しかし、政府自身が沖縄県に約束した「普天間基地5年以内の運用停止」は反故にされ、その責任があたかも翁長沖縄県知事にあるかのような対応に終始している。沖縄県民の民意を踏みにじり、嘘と欺瞞で辺野古新基地建設を強行する安倍政権を許してはならない。
昨年9月30日、東京労働局三田労基署は、2015年12月に起きた電通の新入社員の自殺を労災と認定した。これを機に、長時間労働是正の気運が高まったが、過労死・過労自殺は後を絶たない。経済性・効率化の名のもとに労働者の健康と命が脅かされることなどあってはならない。
政府の働き方改革実現会議は10回の会議を行い、「働き方改革実行計画」を発表し終了した。同一労働同一賃金については、正規労働者と非正規労働者の一定の格差を前提とするなど、真の同一労働同一賃金の実現にはほど遠い。罰則付き時間外労働上限規制の導入は一定評価できる点もあるが、その水準は過労死水準に接するものであり、過労死遺族や労働弁護団などから強い批判が出されている。
そもそも、すべての労働者が労働組合に組織され、三六協定を厳格に適用していれば時間外労働の規制を法制化する必要はなく、労働組合の組織化低迷と御用組合化にこそ問題の本質があるといわざるを得ない。
3月7日に閣議決定された水道法一部改正案は、審議未了のまま閉会中審査(継続審議)となり、次期臨時国会に持ち越しとなった。安倍政権の水道事業に対する軽々な扱いを批判するとともに、より広範な議論を求めていく。あわせて水道事業は自治の問題として自治体における持続可能な事業のあり方を模索していかなければならない。
連合の2017春闘の最終集計によると、平均賃金方式で定昇込み5,712円・1.98%の賃上げとなり、昨年比67円・0.02%のマイナスとなっている。昨年来よりも上げ幅は低下しているものの、4年連続の賃上げ実現となった。4年連続賃上げという流れを絶やすことなく、既に突入している人勧期の闘いを全力で取り組み、各地方確定の闘いにつなげ、大幅な賃上げをめざしていかなければならない。
全水道は、本日確認された方針のもとに、人勧期の闘い、確定期の闘いを全力で取り組み、同時に民主主義を破壊する安倍政権の横暴を許さず、すべての労働者が安心して働き、生活できる社会の実現をめざす。さらに自治体における持続可能な水道・下水道・ガス事業の確立と護憲・平和の課題、脱原発、反差別・人権確立、政治闘争と、全水道産別の強化、組織拡大を全力で取り組むものである。
以上、宣言する。
2017年7月29日
全日本水道労働組合 第71回定期全国大会