第23回 厚生科学審議会生活環境水道部会報告

12.22

第23回 厚生科学審議会生活環境水道部会報告

 2021年12月15日厚生労働省 第23回厚生科学審議会生活環境水道部会(以下 部会)が感染防止対策のためWEB方式で開催されました。全水道からは審議会委員として二階堂中央執行委員長が出席しました。

 今回の部会では、(1)建築物環境衛生管理基準等の見直し(2)水道の水質基準等の見直し(3)水道行政の最近の動向等について議事がすすめられました。

(1)建築物環境生管理基準等の見直しについては、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則の改正(令和4年4月1日施行)を踏まえ、管理基準や管理技術者の兼任の見直しについて検討・確認されました。

(2)水道の水質基準等の見直しについては、内閣府食品安全委員会により公表された農薬の食品健康影響評価の結果に基づき水道水の目標値を計算したところ、現行の目標値と異なる結果が得られたため、ホステアゼート、クロロピクチリン、ウニコナゾールの新目標値の設定が確認されました。

 水質基準等の見直しに関連して全水道二階堂中央執行委員長は、有機フッ素化合物による水道水源の汚染状況を踏まえ、水質基準による規制強化を以下の通り求めた。「最近、国の暫定指針値を上回る有機フッ素化合物が、沖縄県基地周辺などで水道水や地下水源等から検出されている。この問題は結果として水道水の飲用不可となっている状況も発生しており、周辺住民の不安を招き、さらには水道事業に対しても市民からの安全な水道水供給について様々に要請があり、水道事業に働く現場労働者も困惑している。アメリカでは大規模なインフラ法案が可決され、その中で水道インフラへも6兆円規模のインフラ投資、有機フッ素化合物の規制や対策を強化し、大規模な汚染対策を講じることにもなっている。第22回の部会では、国際的な規制の動向を踏まえて要検討項目に追加することが適当であるという審議結果であったが、現状の検出状況や市民の不安を解消するためには、水質基準として規制するなどが必要ではないかと考えるが如何か」と述べました。

 これに対し、厚生労働省水道課は「3月に開催された審議会における国際的な動向を注視しながら対応していく」の述べたほか、部会長の古米東大教授からは「アメリカでの動向は承知している。引き続き注意深く関心を持って対応したい」と述べられました。

(3)水道行政の最近の動向等については、改正水道法の施行状況、自然災害対策・危機管理対策、水道におけるIoT活用の推進、環境・エネルギー対策の推進、令和4年度予算案等について報告がありました。

 二階堂中央執行委員長は厚労省に対し、改正水道法の施行状況に関係しコンセッション方式による「みやぎ管理運営方式」が11月に厚労大臣の許可が出た事を踏まえ、「コンセッション方式の問題や海外での失敗事例が報告されている、国として状況をしっかりとフォローして頂きたい」と国への対応を求めた。

 今回の水道部会では以上の議事について審議が行われましたが、全水道は水道事業の公営原則と経営基盤、技術基盤の確立と人材確保をめざし、今後も積極的な意見反映に努めていきます。

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