全水道第152回中央委員会を開催
全水道は、10月2日、東京・日本教育会館で第152回中央委員会を行い、来場者とWeb参加者、書面提出によって、中央委員・傍聴を合わせて100人を超える参加者が結集し、2021年の確定闘争の取り組み、方針を全体で確認した。また、迎える衆議院議員選挙で武内、森山亮組織内議員の当選はもとより、推薦するすべての候補者の当選を勝ち取るため、単組・地本・本部が一丸となって取り組みを進めることを確認した。
古矢副委員長の開会挨拶で始まり、議長団に水野中央委員(東京水労)と寺嶋中央委員(東京水労)の2人を選出した。
主催者を代表して挨拶にたった二階堂中央執行委員長はコロナ禍での組合活動の意義、迎える衆議院議員選挙に向けた決意等について触れ「職場組合員一人一人を大切に、そして支え合える組織として単組、地本と一丸となり奮闘していく」と述べた。
議事では村上書記長より「2021人勧期闘争総括及び確定・産別闘争を中心とする2021秋季闘争方針」が提起され、書面表決からの質問とWeb参加者からの質疑応答により全体で確認した。
その他議案として、北海道地本から榊公洋さん(札幌水労)と中国地本から阿武大輔さん(光水労)の2人を本部会計監査として選出し、地本書記長、戦術委員会、基本政策委員会などの各種委員会委員の選出などを確認した。
中央委員会決議として「2021確定闘争勝利!すべての労働者の処遇改善と雇用の安定、持続可能な社会の実現に向けて闘う決議」、「公営水道をアップデートして持続可能な水道をめざす決議」、「憲法改悪反対、国民の命と生活、民主主義を守るため、衆議院選挙に勝利する決議」などを全体で確認、最後に、二階堂中央執行委員長の音頭で団結ガンバローを三唱し終了した。
第152回中央委員会 中央執行委員長挨拶 第152回中央委員会に来場とWEBで参加を頂いた皆さん、ありがとうございます。 長期化するパンデミックによる厳しい労働環境の中、全国各地で水道、下水道、ガス事業の現場で、昼夜を問わず市民の命と生活を支えるため奮闘されている、すべての皆様に心からの敬意と感謝を申し上げます。 名古屋で開催した全国定期大会から2ヶ月が過ぎ、WEB併用など様々に感染対策を講じて、各地方本部、単組では定期大会が開催されています。 本中央委員会では、直近の取り巻く情勢、確定期の闘い、政策闘争の課題など共有をはかり、迎える確定闘争や産別要求実現の闘いに繋げていきます。 新型コロナ感染症も、直近の感染者数は減少傾向にあるものの、医療体制崩壊の危機、遅れるワクチン接種や不十分な検査態勢など、この間の教訓が完全に活かされていない政府の対応に国民は強い憤りを感じています。菅政権が発足当初に掲げた「自助」を優先する施策は、国民の生命を危険に晒すだけでなく、生活や将来不安を煽ることになりました。 一方、四回目の緊急事態宣言が発令されて以降、日本経済は格差や貧困問題が深刻になる中、株価はバブル期並の高値になっています。世の中に出回る1万円札の量は10年前の1.5倍にも増えています。共通する要因は政府と日銀が大量にお金を出回らせているからです。 しかし、こうした株価高騰の裏で、コロナ禍の貧困危機が深刻となっています。その多くは非正規労働者であり、不安定な働き方で暮らしを繋いできた国民です。コロナ禍での政府の特例貸付の利用者は9月時点で271万件、1.2兆円となっています。 この貸付金は返済免除制度もありますが、一定の収入が戻れば返済の負担が家計を直撃します。何故これほどに貸付金利用者が殺到したのかは、公的支援、公助が欠落していることが要因と言われています。 生活保護の「一歩手前」の困窮層にとって、利用できる経済的支援策が十分でないことが露呈したものと言えます。 経済評論家の内橋克人さんは9月に亡くなられました。「市場より人間」という言葉を残されました。90年代初頭のバブル崩壊後、規制緩和がもてはやされる中、労働者派遣法の対象業務が拡大し、企業が人材サービス会社から必要な時だけ人員を確保することでコスト削減を可能としたことに対し、内橋さんは「マネーの動きを活発にさせるかも知れないが、働く一般の人の利益にはつながらないのではないか」と懸念を示していたことは、労働組合も派遣法など反対と同じ志で運動を展開してきました。 その後、派遣やパートの非正規労働者が急増、リーマンショック、新型コロナウイルス禍と危機のたびに苦境に追いやられる、貧困と隣り合わせの働き方が顕在化し、「貧困者が多数派になる、そんな国がどうして豊かと言えるのか」との言葉を残してこの世を去りました。 教育やライフライン、行政にまで市場原理主義が浸食する中、利益と効率を優先する新自由主義により、日本社会はもう限界に来ています。 成長優先の政策を転換し、国民が安心して暮らせるよう、格差の是正に本格的に取り組まなければなりません。所得の再分配や富裕層や高収益の大企業への課税を強化し、非正規で働く人などへの支援を拡充することが求められます。そのためにも迎える衆議院選挙で暴走し続ける自公政権にくさびを打たなければなりません。 昨年9月に発足した菅政権は、就任会見では、政権の目玉政策としてデジタル改革やグリーン社会の実現などを掲げる、一方で「自助、共助、公助、そして絆」と体裁のいいことを述べつつ、国民には先ずは自助で、国民にそのツケをまわしてきました。その結果が、新型コロナウイルス感染症対策が後手後手の場当たり的な対応に終始し、PCR検査すら十分に行われず、ワクチン接種についても自治体での混乱が続き、さらに医療崩壊を招くこととなりました。 こうしたことが、菅政権発足後初の国政選挙となった衆参3選挙区の補欠選挙と再選挙や横浜市長選挙で全敗し、「政治とカネ」の問題なども含めて、政権に対する厳しい批判に晒された結果となりました。 その後の自民党総裁選挙では、菅総理の突然の総裁選不出馬、事実上の退陣表明があり、候補者4名で総裁選が行われましたが、いずれも安倍-菅政権を継承するものであり、新総裁に就任した岸田総裁も日本社会が抱える格差や貧困、差し迫った新型コロナ感染症対策、森友・加計学園、桜を見る会、河井夫妻をめぐる1.5億円疑惑の解明に言及はなく、政権に都合の悪いことはこの際忘れてくれと言わんばかりであります。 臨時国会の会期は、10月4日から10月14日と与野党国対で確認されました。この日程ですすめば、10月26日公示、11月7日投開票が濃厚となってきました。 これまでも繰り返し申し上げてきましたが、市場原理主義をその中心に据えた新自由主義的により、多くの非正規労働者を生み出し、正規の労働者も過労死・過労自殺に追い込まれるほどに長時間労働を強いられ、職場ではパワハラが蔓延し、公的政策は限界です。 迎える衆議院選挙では武内、森山両組織内議員の当選はもとより、推薦するすべての候補者の当選を勝ち取るため、単組、地本、本部が一丸となって取組をすすめていきます。 最後に、このパンデミック下で元々抱えていた社会構造がコロナ禍で拡大し、外出自粛や制限により人々を強い閉塞感で覆い、人間社会の分断を招いています。パンデミック下で気づいた人間社会の分断、人の繋がりの大切さ、労働組合の活動など、基本的なことの重要性をしっかりと受け止め、運動の原点は、職場にあることは言うまでもありません。このコロナ禍で一層の仲間の支え合いが重要になっています。産別に結集するすべて仲間とともに、労働組合活動、組織強化に向けた取り組みなど地道な職場に根ざした運動を展開していかなければなりません。 職場組合員の一人一人を大切に、そして支え合える組織として、単組、地本と一丸となり奮闘していく決意を申し上げ、本中央委員会において活発な討論をお願いし、中央執行委員会を代表して挨拶に代えさせて頂きます。 |