「第3回水道施設運営等事業の実施に関する検討会」傍聴報告

04.25

「第3回水道施設運営等事業の実施に関する検討会」傍聴報告

 「第3回水道施設運営等事業の実施に関する検討会(以下 検討会)」は、第2回検討会でのヒヤリングや検討経過を踏まえ、「水道施設運営権の設定に係る許可に関するガイドライン(案)」および「水道事業における官民連携に関する手引き(改訂案)」が検討会に示された。

 示された両案の内容は、下記の厚労省ホームページにアクセスの上、内容を参照してください。

ここでは、検討会を傍聴して検討会委員と内閣府や厚労省とのやりとりを率直に受け止めた傍聴報告を以下の通り報告したい。

 検討会でのやりとりを聞く限り、ガイドラインや官民連携の手引きが宮城方式コンセッションの導入を前提として、PFI法における施設運営権をめぐる拡大解釈(水道施設運営権の設定に係る施設の増改築、廃止をめぐる基準の緩和など)や運営事業者との契約に関わる事項について審議が進められているように受け止めた。さらに検討委員からの意見においても運営事業者側に沿った契約事項や施設の維持など、本来の水道法の規定やこれから定められる基本方針を蔑ろにしかねない検討会審議に大変危惧するものであった。

 今回のガイドライン案の策定や手引きの改訂案は、国会での水道事業の基盤強化に資するものなければならないにも関わらず、PFI法の規定の拡大解釈により、本来の水道法の規定が歪められることに繋がらないか懸念する。

 今後は第3回検討会での審議を踏まえ、次回第4回検討会でガイドライン案及び官民連携手引き改訂案の策定が行われことになるが、全水道は引き続き検討会の審議状況を傍聴し、これまでの国会の審議状況なども勘案しあらゆる対策を講じていきたい。

 

<※委員>

足立 慎一郎 株式会社日本政策投資銀行地域企画部担当部長PPP/PFI推進センター長

石井 晴夫  東洋大学経営学部教授

佐藤 裕弥  早稲田大学研究院准教授

高橋 玲路  アンダーソン・毛利・友常法律事務所弁護士

滝沢 智   東京大学大学院工学系研究科教授

藤野 珠枝  主婦連合会住宅部

本多 裕孝  公益社団法人日本水道協会水道技術総合研究所主席研究員

與三本 毅  一般社団法人日本水道運営管理協会運営委員長

厚労省ホームページ

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku_470779_00001.html

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