全水道第151回中央委員会を開催
全水道は6月5日、前日の全水道2021中央政策集会に引き続き日本教育会館で第151回中央委員会を開催し、会場への来場者15人とWebでの参加60アクセスが結集して、むかう人勧期の闘争方針等を確立した。
中央委員会は、古矢副委員長の開会挨拶で開始し、議長に鶴岡中央委員(九十九里水労)、配島中央委員(さいたま水労)を選出した。
主催者を代表して挨拶に立った二階堂中央執行委員長は、①コロナ禍で露呈した社会問題、②2021春闘、③政治闘争について触れ、全水道の組織強化は職場に原点があり、このコロナ禍で一層の仲間の支え合いが重要になっている、として「職場の組合員一人一人を大切に、支え合える組織として、単組、地本と一丸となって奮闘していく」と決意を述べた。
議事では、第一号議案「2021春闘の総括及び2021人勧期闘争方針」(案)を村上書記長が提起し、質疑応答の後、確認された。
続いて、第二号議案「第26回参議院議員通常選挙における比例代表選出議員選挙候補予定者の推薦について」(案)が提起され、質疑の後、確認、中央委員会決議「2021人勧期闘争勝利!平和と民主主義を守り、水政策前進に向け闘う決議」(案)を全体で確認し、議長降壇挨拶、閉会挨拶を受け、最後に二階堂委員長の音頭で団結ガンバローを三唱して、終了した。
全水道第151回中央委員会 委員長挨拶 第151回中央委員会にWEB及び会場に参加をされた全国の仲間の皆さん大変ご苦労様です。本日は昨日の中央政策集会に続き、新型コロナウィルス感染症拡大による緊急事態宣言やまん延防止措置が発出されているため、東京の会場と全国からWEBで参加している皆様とともに中央委員会を開催させて頂いています。 最後までの参加と積極的な討論をお願い致します。 冒頭、新型コロナウィルス感染症は世界規模の感染拡大により、多くの方が犠牲となりました、亡くなられた方の心からのご冥福をお祈り申し上げるとともに、コロナ禍で昼夜を問わず市民の命と生活を支えるため奮闘されている、すべての皆様に心からの敬意と感謝を申し上げます。 昨年から続くパンデミックにより、社会、経済が著しく打撃をうけ、日本の深刻な経済格差をあらわにしました。弱い立場の人ほど打撃は大きく、3度目の緊急事態宣言でこれまでの以上に格差が拡大しています。 コロナ禍で「雇用の調整弁」とされる非正規労働者は解雇などで前年比100万人近くも増加しています。その結果、社会から孤立するなどし、昨年の自殺者数は11年ぶりに増加しました。 非正規労働者が働く人全体の約4割も占めるようになったのは、この間政府が推し進めてきた成長と効率を優先してきた、安倍政権によるアベノミクスなどの経済、社会政策が原因で、そのひずみがコロナ禍で露呈したことは明らかです。 一方、安倍政権を引き継ぐ、菅義偉首相も、目指す社会像にまず「自助」を掲げ、アベノミクスと同じ新自由主義の政策を進め、看板政策とアピールするデジタル化も経済の効率化が主な狙いです。首相は「経済を再び成長軌道に戻す」と繰り返していますが、コロナ前の姿に戻すだけでは、何ら国民の生活不安、将来不安をなくすことに繋がりません。 人間のつながりは国民の幸福感を左右します。国連による世界幸福度ランキングでは、コロナの影響が注目された今年もフィンランドが4年連続で首位、充実した社会保障や公共サービスなど市民生活を根本から支え、助け合う仕組みがしっかりしているからです。一方、日本は56位と低迷し、いくら経済政策に取り組み、GDPを増やしても、それだけで国民の幸福度は高まらないことは明らかです。 また、コロナ禍で私たちの生活は大きく変化し、働き方だけに留まらず、生活様式の見直しや人の交流までが制限される事態を招いてきました。こうした社会の変化は、人々を強い閉塞感で覆い、人間社会の分断を招いています。 また、エッセンシャルワーカーと呼ばれる、社会にとって必要不可欠な労働に従事する労働者は、感染の恐怖と隣り合わせで働き、様々に感染リスクと向き合い奮闘しているにも拘わらず、「コロナヘイト」など憶測や偏見による差別に晒されています。 コロナ禍であらためて認識されたのは、人間のつながりの大切さです。人々が支え合う社会の構築です。その実践は、労働組合自ら率先して取り組みを強化していかなければなりません。 さて、2021春季生活闘争をめぐる状況です。 連合は、2021春闘について直近に開催された中央闘争委員会で春闘回答状況について、要求内容に幅があり、かつ示された回答にも幅がみられるものの、過去経験したことのないコロナ禍の環境下においても、労使の責任において、交渉が行われてきたと受け止められています。 コロナ禍の影響が業種・業態により大きく異なり、かつ先行きが不透明な中にあっても、これまで同様に多くの組合が交渉に臨み回答を引き出しました。それぞれの要求内容には幅があり、かつ示された回答にも幅があるものの、ぎりぎりまで協議・交渉を追い上げた結果が明らかになっています。 賃上げ率は全体的に昨年を下回るものの、コロナ禍にあっても賃上げの流れは継続。率は、要求方式によって獲得水準に幅があり、かつ全体的に昨年を下回るものの、妥結内容が確認できる組合の48.6%が賃金改善分を獲得し、98.6%で定期昇給相当分を確保していることから、コロナ禍においても賃上げの流れは継続しています。 また、集計を重ねるごとに中小組合の結果が反映され徐々に下がっていく傾向にあった中で、平均賃金方式の全体の賃上げ率は一定の率1.81~1.83%)を維持しており、「大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動」がさらに前進している一方で、コロナ禍による厳しい経営環境などを理由に、定期昇給相当分確保を断念するという苦渋の決断をせざるを得なかった組合も少なからずあります。 全体として、分配構造の転換に向けて、格差是正と「働きの価値に見合った賃金水準」を意識した動きが前進しているものと受け止められています。 しかし、冒頭のコロナ禍の情勢でもお話したように、コロナ禍で格差の拡大や非正規労働者をめぐる厳しい雇用状況など、引き続き格差是正に向けた取組の強化が求められています。 人勧期に向け闘いは、公務労協・公務員連絡会・公務労協地公部会はそれぞれ方針を決定し、人事院・内閣人事局・総務省に要求書を提出し交渉を重ね2021春闘を闘ってきました。経過や当局回答などは議案書に記載の通りです。 全水道は本日提起する人勧期闘争方針案のもと、公務労協、公務員連絡会、地方公務員部会に結集し、人勧期の闘いに向けて取り組みを強化していきます。詳細は後ほどの提起で 具体的行動については、中央決起集会については行わないことを決定しています。 従って各地本及び単組におかれては、今年の人勧期の課題及び交渉状況等について機関紙等を活用しながら組合員の皆さんと共有頂き、意思一致しながらこの人勧期の闘いを取り組み、引き続く確定期の取り組みへとつなげていくことと致します。 また、公務労協が提起している、昨年も取り組んだネット署名にも積極的な取組をお願い致します。 引き続き困難な状況が続きますが、改めてすべての組合員・単組・地本のみなさんの取り組みをお願いするとともに、全水道一丸となって人勧期の闘い、政策制度実現の取り組み、反戦・平和、反差別、脱原発など社会的課題の前進に向けて取り組んで行くことと致します。 定年年齢の引き上げを定めた国家公務員法改正案、地方公務員法改正案は6月4日の参議院本会議にて可決・成立しました。2023年度末に60歳となる職員から1年ずつ定年年齢が引き上がることとなっています。現行再任用制度が制度的限界を迎える中で、高齢層職員の経験・ノウハウを活かし、かつ希望される職員がより良い労働条件で継続雇用されることで、雇用と年金の確実な接続を実現するために引き続き中央、地方での取組をすすめていきます。 次に、政治課題ですが 昨年9月に発足した菅政権は、政権の目玉政策としてデジタル改革やグリーン社会の実現などを掲げ発足しましたが、新型コロナウイルス感染症対策が後手後手の場当たり的な対応に終始し、相次ぐ「政治とカネ」の問題などで菅政権発足後初の国政選挙となった衆参3選挙区の補欠選挙と再選挙で、自民党は全敗するなどし、政権に対する厳しい批判の表れとして、直近の内閣支持率調査では、支持率低下、不支持が支持を上回っている状況となっています。 また、感染拡大が収まらない中で、国及び東京都は1年延期となっていた、オリンピック・パラリンピック東京大会について、いまだ開催ありきで準備をすすめ、「国民の命よりもオリンピック優先」などと強い批判が出されています。PCR検査すら十分に行われず、ワクチン接種についても自治体での混乱が続いています。6月16日閉会の通常国会では解散出来ない状況となっています。 菅政権に終止符を打つため、来たるべき解散総選挙では武内、森山両組織内議員の当選はもとより、推薦するすべての候補者の当選を勝ち取るため、単組、地本、本部が一丸となって取組をすすめていきます。 最後に、これまでも繰り返し申し上げてきましたが、運動の原点は、職場にあることは言うまでもありません。このコロナ禍で一層の仲間の支え合いが重要になっています。 産別結集するすべて仲間とともに、さらなる団結強化をすすめていきます。 職場組合員の皆様一人一人を大切に、そして支え合える組織として、単組、地本と一丸となり奮闘していく決意を申し上げ、中央執行委員会を代表して挨拶に代えさせて頂きます。 |