環境省中央環境審議会 水環境部会報告

05.29

環境省中央環境審議会 水環境部会報告

 2020年5月26日15時から「環境省中央環境審議会水環境部会(以下 部会)が新型コロナウィルス感染症予防のため、環境省WEBシステムを使った会議で行われた。全水道からは、部会の臨時委員である二階堂中央執行委員長が全水道本部からWEB会議に参加した。

 今回の部会は、「PFOS・PFOAの目標値等の設定について」ほか「第5次環境基本計画の点検について」が議題となった。

 特にPFOS・PFOAの問題は、2020年4月から水質基準の改定により、暫定目標値(50ng/L)に設定され、今回の部会では、水道水源である公共用水域または地下水に係る議題であった。

 環境基本法では、水質汚濁に係る環境基準のうち、公共用水域の水質汚濁に係る人の健康保護に関する環境基準項目について、現在、公共用水域で27項目、地下水で28項目が定められている。

 また、人の健康の保護に関連する物質ではあるが、公共用水域及び地下水における検出状況等から、水質環境基準健康項目とはせず、要監視項目として位置づけられている、公共用水域26項目、地下水24項目の監視等が行われている。

 今回の部会では、小委員会等での検討内容や国内外におけるPFOS・PFOAに係る動向が報告され、PFOS・PFOAがこれまで要検討項目から要監視項目に変更することになった。

 審議経過において全水道二階堂中央執行委員長が特に米軍基地周辺で汚染が確認されている実態など、周辺住民の不安や水道現場の職員の苦闘を踏まえて以下の通り発言した。

 「PFOS・PFOAの問題は、今年の4月に起きた沖縄普天間基地から流出して大きく報道された、また、昨年12月にも同基地でも流出していたことが、5月20日の衆議院外務委員会で明らかになった。沖縄ではPFOS・PFOAによる水質汚染問題は事故前からの危険性などが指摘されてきた。しかし、そこに暮らす住民の不安は解消されることなく、水道水源の河川や井戸でも検出され、住民の不安は直接、水道事業体に向けられてきた。

 PFOS、PFASにかかる汚染に対する住民の不安が拡がりは、安全な水道水の確保のため、水道事業者と水質管理の現場の苦闘が続いてきた。

 水道水で言えば、水源から蛇口にいたる各段階での危害管理の実効性が高まらなければ、住民の不安と水道現場での苦闘がさらに続く。住民のいのちと安全を守るための地方自治を停止するような危機に他ならないと考える。

 改正水道法の基本方針では、水源からと給水栓にいたる各段階で危害評価と危害管理を行うための水安全計画を策定することが求められている。すなわち、水源といわれる公共用水域や井戸水が今般の要監視項目に設定することで住民不安が解消されると考えられない。そもそも汚染源が特定できず、その調査も出来ていない中で要監視項目にとどめる事で、問題が解消されるか疑問である。水質環境基準健康項目として位置づけることで、よりその実効性を高めることに繋がるのではないか」と述べた。

 全水道は、PFOS・PFOA問題は、汚染源の特定が出来ず抜本的な対策が講じられないことに大きな問題があり、その背景には日米地位協定が存在していることを踏まえ、引き続き水道水源の安全性の確保と住民不安の解消に向けて取組んでいきます。

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