中央環境審議会 水環境・土壌農薬部会(第4回)報告
中央環境審議会 水環境・土壌農薬部会(第4回)報告
2022年3月23 日(水)13:30からWEB会議方式で中央環境審議会 水環境・土壌農薬部会(以下 部会)が開催された。部会には、全水道から二階堂中央執行委員長が委員として出席した。
部会は、審議事項1件、報告事項6件の議事が示された。
審議事項では、ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に係る暫定排水基準の見直しについて審議された。
ほう素及びその化合物(以下「ほう素」という)、ふっ素及びその化合物(以下「ふっ素」という)並びにアンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物(以下「硝酸性窒素等」という)については、人の健康の保護の観点から水質汚濁防止法による一般排水基準について設定することとした。
審議では、主に温泉分野、畜産分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果に基づき、審議が行われた。
温泉を利用する旅館業(以下「温泉旅館」という)については、ほう素及びふっ素に係る暫定排水基準が設定されている。温泉排水については、共存物質が排水処理を阻害すること等により、既存の排水処理技術ではほう素及びふっ素の処理が難しい現状があり、温泉旅館において導入可能な新たな排水処理技術の開発等に関する検討を行いつつ、温泉排水対策に関する技術検討会等を設置し、排水濃度の低減方策や温泉排水対策のあり方について検討を行ってきた。
その結果、温泉旅館に係るほう素及びふっ素の暫定排水基準については、その適用期間を「当分の間」とし、ほう素及びふっ素の環境基準の達成状況等を監視しつつ、温泉旅館からの排水に関する処理技術の動向を踏まえて暫定排水基準を見直すこととした。
畜産農業に係る硝酸性窒素等の暫定排水基準については、速やかな一般排水基準への移行を図るため、畜産分野検討会を設置し、排水中の硝酸性窒素等の低減方策の技術的助言及び検討等を行ってきた。
その結果、豚房施設を有する事業場では、個別調査の結果、豚房施設を有する事業場については、暫定排水基準を500mg/Lから400mg/Lに見直し、適用期限を令和7年6月30日まで延長することが適当であるとした。
牛房施設のみを有する事業場においては、牛房施設のみを有する事業場については、暫定排水基準を500mg/Lから300mg/Lに見直し、適用期限を令和7年6月30日まで延長するものの、上記事業場で今後予定している排水処理施設の増設の状況を踏まえ、一般排水基準への移行を検討することが適当と考えられると判断した。
~詳細な調査・分析データ等については環境省ホームページを参照
その他議題及び報告事項では以下の議題について報告された。
・土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令案について(概要)
・土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令
・汚染土壌処理業に関する省令の一部を改正する省令案について(概要)
・汚染土壌処理業に関する省令の一部を改正する省令
・第9次水質総量削減における化学的酸素要求量(COD)、窒素含有量及び
・りん含有量に係る総量削減基本方針について(概要)
・瀬戸内海環境保全基本計画の変更について(概要)
・国連環境総会(UNEA)におけるプラスチック汚染に関する決議について
・水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る基準等 ~※詳細資料は環境省ホームページ参照
全水道は、公共用水域の水質保全や健全な水循環の確立など、水源環境を守るため、中央環境審議会をはじめ中央省庁等での審議会で積極的な意見反映につとめていきます。
また、4月23日~24日に熊本市で開催される“アジア・太平洋水サミット”への参加や8月の水政策月間の取り組みなど水政策活動をすすめていきます。