第20回厚生科学審議会生活環境水道部会
2019年3月13日(水)10時から厚生労働省会議室において、「第20回厚生科学審議会生活環境水道部会(生活環境水道部会)」が開催され、全水道からは二階堂中央執行委員長が出席した。
生活環境水道部会は厚生科学審議会の下、建築物衛生その他生活衛生に係る生活環境に関する重要事項を調査審議することを目的として開催されている。
今回の生活環境水道部会では、
(1)水質基準等の見直しについて
(2)水道法の改正と水道行政の最近の動向等について
(3)建築物衛生行政の最近の動向等について
以上の議題が審議された。
詳細資料はhttps://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_127756.html 参照
議題(1)の水質基準の見直し
内閣府食品安全委員会による食品健康影響評価の結果、現行評価値の設定根拠(平成15 年の厚生科学審議会答申)及び食品健康影響評価の結果が示された。この結果をうけて、生活環境水道部会では対応方針として、検討を踏まえて現行評価値0.05mg/L を0.02mg/L に強化することが適当と考えられことが報告された。また、農薬の基準についても資料に基づく検討がなされ、見直し方針として以下の内容が確認された。
① 水質基準項目
六価クロム化合物の新評価値(案)の設定については、食品安全基本法の規定に基づき、内閣府食品安全委員会の意見を聴くこととする。その後、パブリックコメント手続き等を経て新基準値を設定し、2020(平成32)年4月1日から適用予定。
② 農薬類
対象農薬リスト掲載農薬類については、パブリックコメントの手続きを実施したところであり(別紙参照)、以下のとおりの変更を平成31 年4月1日から適用する。
・対象農薬リスト掲載農薬類(カルバリル、プロベナゾール及びメタラキシル)に係る新評価値の設定
・対象農薬リスト掲載農薬類(オリサストロビン)の代謝物の測定及び原体への合算の追加
・対象農薬リスト掲載農薬類(エディフェンホス、エトリジアゾール、カルプロパミド及びメチルダイムロン)の除外農薬への移行要検討農薬、その他農薬及び除外農薬については、以下のとおりの変更を平成31 年4月1日から適用する。
・要検討農薬にイプフェンカルバゾンの追加及び目標値の設定。
・その他農薬(MCPB、シペルメトリン)に係る新評価値の設定
・除外農薬(イプロジオン)の分解物の測定及び原体への合算の追加、並びに「要検討農薬」への移行
また、浄水中での検出状況による水質基準及び水質管理目標設定項目間(陰イオン界面活性剤、ニッケル及びその化合物)での分類変更は行わない。
以上が確認された。詳細は厚労省ホームページ参照。
議題(2)水道法の改正と水道行政の最近の動向等について
2018年12月6日に可決・成立、同12月12日に公布された改正水道法に関して、資料に基づき付帯決議や改正水道法の趣旨、水道行政の最近の動向、改正水道法の基本方針を検討する専門委員会やコンセッション方式導入に関する検討会の設置などについて厚労省から説明がされた。
この議題は、経過の報告ということであったが、全水道としてはコンセッション方式導入に問題提起をしてきた立場から、あらためて厚労省に対して以下の3点について二階堂中央執行委員長から意見した。
・改正水道法審議に関わる国会審議の経過を重く受け止めて、検討会での検討すること。
・東日本大震災から8年が経過する中で、厚労省がまとめた「東日本大震災水道施設被害調査報告書」などを検証して、災害対策などガイドラインや契約基準などを厳しく設定すること
・水道料金については、現行の総括原価方式に照らして事業者側の利益配当や役員報酬などの透明性をはかり、国民に理解の得るものとすること。
※資料は厚労省ホームページ参照
議題(3)建築衛生物行政の最近動向
資料に基づき建築物における衛生的環境の確保に関する法律の概要などについて厚労省から説明があった。
※資料は厚労省ホームページ参照
以上を生活環境部会の報告とするが、来週の3月19日、22日と改正水道法に関する専門委員会、検討会ヒヤリングなどが行われることから、引き続き意見反映に努めていく。