11・5―6 連合 春季生活闘争中央討論集会
個別労使の論理のみでなく社会的意義もあわせ
闘争方針の決定にむけ活発な議論
 連合は、11月5日(木)から6日(金)にかけて東京・ホテルラングウッドにおいて、「2010春季生活闘争中央討論集会」を開催。中央討論集会には、構成組織の仲間など500人を超えて参加し、「全労働者を対象に春季生活闘争を推進」など「2010春季生活闘争・基本構想」をもとに討議を行った。なお、本集会の議論を踏まえてさらに討議を重ね、12月3日開催の第56回中央委員会で、闘争方針を決定する予定としている。
 全水道も「連合2010春季生活闘争・基本構想」の提起を受け、2010春闘を「働く者の闘いの広場」として推進すべく、春闘討論集会をはじめ、取り組みを開始する。


 集会は、山本副事務局長の開会挨拶・司会進行で始まり、古賀会長は冒頭のあいさつで「日本社会は、かつて経験したことのない厳しい状況にある。景気を回復軌道にのせ、持続的な成長を確保することによって国民生活の不安を解消することが強く求められている。2010春季生活闘争では、日本経済・社会の底割れに歯止めをかけ、社会経済システムの再構築をはかっていくことが重要である。それとともに賃金水準の低下を阻止し、労働者の生活の維持・防衛をはかる取り組みを展開していくことが必要である。個別労使の論理のみでなく社会的な意義にも着目した論議を積み重ね、果敢に取り組んで頂くことをお願いする」と呼びかけた。
 記念講演として、東京大学社会科学研究所教授の仁田道夫氏から「雇用・労働社会の変化と労働組合への期待」、第一生命経済研究所主席エコノミストの熊野英生氏から「日本経済の動向〜鳩山政権の経済政策の影響〜」と題した講演を受けた。
 仁田教授は、講演で、(1)変わるものと変わらないもの (2)長期持続的変化と循環的・一時的変化 (3)組織の目標と社会の目標 (4)社会の目標をどう立てるか (5)どこから始めるか、を中心に講演を頂いた。
 熊野主席エコノミストからは、当面の経済成長率の展望、失業率の上昇、雇用止めになった非正規労働者の人数、消費者物価の見通し、民主党が2010年度に実施しようとしている政策効果、等について詳しい解説を頂いた。
 記念講演終了後、澤井景子連合総研主任研究員から連合総研の日本経済の現状について解説がされた。
 休憩をはさみ、南雲事務局長から、「2010年春季生活闘争・基本構想」が提起された。2010春季生活闘争では、日本経済・社会の底割れに歯止めをかけ、賃金水準の低下を阻止し、労働者の生活を維持、防衛する観点から取り組みを強力に展開する。取り組みの柱として(1)全労働者を対象に春季生活闘争を推進 (2)賃金水準維持の取り組みの徹底 (3)雇用の安定・創出に向けた取り組みの強化 (4)共闘連絡会議の体制強化 (5)政策・制度との連携強化、を中心とした「基本構想」を提起したうえで、(1)春季生活闘争の位置づけ (2)政策制度の取り組み (3)闘争の進め方、の3分散会に分かれ意見交換を行い、理解を深めた。
 二日目は、前日の議論を受け全体討論を行い、南雲事務局長のまとめを受け、全日程を終了した。  連合は、本集会の議論を踏まえてさらに討議を重ね、12月3日開催の第56回中央委員会で、闘争方針を決定する予定としている。
第1回中央政策委員会 11・6
水基本法の制定、水政策の前進など
当面の取り組み方針を確認
 11月6日、全水道会館で09年度の第1回中央政策委員会が開催された。
 委員会は、まず、中央政策委員の確認から始められ、水道を西川書記長、下水道を岡書記次長が担当することが確認された。また、水道、下水道両政策委員会の座長が選出され、水道政策委員会座長に北川さん(大阪水労)、下水道政策委員会座長に岩崎さん(東京水労)が選出された。
 大会以降の特徴的な情勢と主な取り組み経過が報告され、○水政策を巡る情勢と水制度国民会議の動向、○国土交通副大臣・政務官との下水道政策要求の提出等を全体で確認。当面の取り組み方針として、○水基本法の制定と水政策の前進、○公共の再生・再確立を進め、水道・下水道事業の公営原則の防衛、○その軸として、運営基盤の一方の柱である技術基盤の確立・継承、等が確認され、2010年には、5月下旬に全水道中央政策集会を開催することが報告された。また、水基本法制定決起集会を行うことを予定していることが報告された。
 その後、活動計画、次回委員会の日程を全体で確認し、中央政策委員会を終了、水道政策委員会、下水道政策委員会に分かれ、議論が行われた。
 両政策委員会での議題は、以下の通り。

水道政策委員会
 水道政策委員会は、議事として、「2010春闘討論集会」、「中央政策集会の対応」、「厚生労働省アセットマネージメントの分析」などについて参加した委員が熱心に議論し、共有化。次回の委員会の日程を確認し終了した。

下水道政策委員会
 下水道政策委員会は、議事として、「中央政策集会・下水道分科会」、「2010年度下水道政策要求」、「水道・下水道統合」、「下水道政策の豊富化」などを全体で議論し、次回委員会の日程を確認し終了した。
水源開発問題全国連絡会第16回総会―10・24‐25
河川行政見直し、ダム中止基準策定を提言
成瀬ダム問題全国集会も開催
 水源開発問題全国連絡会第16回総会が10月24日、25日と秋田県東成瀬村で開催された。政権交代により全国143のダム事業の見直しや凍結などが打ち出される中、注目される総会となった。総会には15団体60人が参加した。
 現地の成瀬ダムをストップさせる会代表が挨拶、元朝日新聞記者の岡田幹治さんが「新政権のダム政策〜これまでとこれから」と題して基調報告を行った。その中で岡田さんは、01年の公共事業コントロール法の国会提出、緑のダム構想など、政権交代にいたる民主党の取り組みを評価しながら、「公共事業改革と共に環境、教育、福祉はじめ地域再生策の重要性を訴え、八ッ場ダムは今後の大型公共事業見直しのモデルケースになる」と訴えた。
 また、「町長選では敗北したが、町議補選ではダム反対派が当選。力関係はかわりつつある」(設楽ダム)など各地の現状報告が行われた。全水道は過剰な水源開発の一方で、浄水場の維持管理等、水道事業の委託化が進行しつつあること、長崎県・石木ダム、利根川総合開発、八ッ場ダム問題に注目し、水基本法制定も視野に共に取り組んでいることを報告した。
 総会は、最後に「国がタスクフォースを設けて、中止勧告基準をつくる」「タスクフォースの下に住民参加の部会を設ける」とする提言を確認、26日には国土交通省に提出されている。

成瀬ダム問題全国集会
 二日目午前中は、全国からの参加者を中心に、成瀬ダム建設現場、農業用水利水事業等の現地視察を実施。午後からは民主党・大河原雅子参議院議員、社民党・保坂展人副幹事長の参加も得て、350人の原告団で成瀬ダムへの300億円の県費支出の差し止めと30億円の損害賠償請求を前知事に求める訴訟に取り組む「成瀬ダムをストップさせる会」の仲間100人が合流し、「成瀬ダム問題全国集会」が開催された。
 集会は、「建設予定地は栗駒国定公園内の森林生態系保護地域だが、計画と共にダム予定地は保護地区の見直しが行われた」「減反が3分の1に及んでいる一方で、2倍の水量を確保する灌漑事業」などの問題指摘を受け、「新政権下のダム政策」について意見交換した。
 最後に「コンクリートのダムから緑と清流の時代へ。成瀬ダム見直しでお金を県民生活に!」との宣言を採択した。
2009連合中央女性集会―10・30
男女間の労働条件格差の提正へ
実態把握に基づき課題解決を
 10月30日(金)、東京ビッグサイトに於いて、「2009連合中央女性集会」を開催し、国内外からの来賓も含め、女性701人、男性244人の計945人が参加した。全水道は全水道女性委員を中心に青年女性部が、20人参加した。
 主催者挨拶を行なった古賀伸明連合会長は、メインテーマに掲げた男女間賃金格差の課題について、ILOから是正勧告を受けている日本の現状にふれ、「職場における男女間の賃金格差の解消に向け、本集会での積極的な議論を通じ、明日からの取組みにつなげてほしい、そのためにも『連合第3次男女平等参画推進計画』の目標達成を目指し、女性役員選出への取り組み強化を」と呼びかけた。
 メインテーマを受けた同志社大学の川口章政策学部教授による「男女間の賃金格差の解消に向けた課題」と題する講演では、先進国の中でも男女間賃金格差が極めて大きい日本の実態と、その要因が示された。また、男女間賃金格差を解消する抜本的対策として、先進国で多く取り入れられているポジティブ・アクションの義務化や仕事と家庭の両立支援策が有効であると提案された。
 その後、「賃金や処遇など、男女間の労働条件格差の是正のために」と題する基調提起を行なった山口洋子連合副事務局長は、「効果的な『是正への取り組み』のためには、『男女間の賃金格差の実態把握』が不可欠であり、実態把握に基づいて課題解決へつなげよう」と参加者へ呼びかけた。
 午後からの「男女間の賃金格差の解消をめざして」をテーマとしたパネルディスカッションでは、ワーキング・ウィメンズ・ネットワークの越堂静子代表とペイ・エクイティ☆コンサルティング・オフィスの屋嘉比ふみ子代表から、男女間賃金格差解消へのこれまでの取組みや、女性差別撤廃委員会(CEDAW)による日本政府第6回報告書に対する審議の様子や、職務評価制度の策定への取り組みなどが、それぞれ報告された。
 サービス・流通連合・小田急商業労働組合連合会・小田急商事労働組合の清水マナミ中央書記長からは、パート労働者の組織化や、パート労働者の専従執行委員の選出、また、賃金プロットを作成することにより、男女の賃金格差や育児短時間勤務者の処遇が上がらないなどの課題を把握し、課題解決に向けて取り組んできた経過などが報告された。
 それぞれの報告を受け、会場からの発言も加わって、活発な意見交換が行われた。
 集会は、アピール採択後、岡本直美連合会長代行より、「男女平等の推進に向け、様々な場で女性が積極的に発言してほしい」と参加者へ呼びかけ、集会を閉会した。

2009連合中央女性集会アピール
 2009連合中央女性集会は、全国から約1,000名が集まり、「賃金や処遇など、男女間の労働条件格差を是正しよう!」をメインテーマに討議・交流を行いました。
 私たちは、この集会を通じて、以下のことを確認しました。
 第1は、男女平等・均等待遇の実現には、性別や働き方の違いに関わりなく、一人ひとりがその能力や意欲を発揮でき、働き続けられる職場づくりが重要です。
 そのために、私たちは職場における男女間の賃金格差や処遇の違いなど、労働条件の実態を把握し、格差の是正に向けた職場での取り組みをさらに強めていきます。
 ILOなど国際機関からの勧告をふまえ、男女間の賃金格差の解消の要求を掲げた男女平等政策・制度の実現をめざすとともに、職場での取り組みに活かします。
 第2は、女性の就業継続や男性の育児休業取得の促進をめざした、「改正育児・介護休業法」の施行を控え、両立支援の環境整備に取り組むことが重要です。 
 そのために、私たちは短時間勤務制度の充実や、育児や介護を理由とする不利益取り扱いの禁止、有期契約労働者の制度拡充など、労働協約化の推進をはかります。
 「ワーク・ライフ・バランス社会」の実現をめざし、すべての働く人が、やりがいのある仕事と充実した生活の調和がはかれるよう、「働き方の改革」に取り組みます。
 こうした課題の解決には、労使交渉や労働組合の意思決定の場へ、より多くの女性が参画していくことが不可欠です。
 私たちは、“仕事における男女平等参画の実現”と“男女双方の仕事と生活の調和の実現”をめざした「連合第3次男女平等参画推進計画」を着実に実行し、とりわけ、「運動方針へ男女平等参画の推進を明記する」「女性役員ゼロをなくす」目標の達成に、構成組織・単組・地方連合会一丸となって取り組みます。
 職場での男女平等推進のため、労働組合における男女平等参画の推進に全力で取り組み、連合、構成組織・単組、地方連合会の連携で、確実な成果をあげていきましょう。

2009年10月30日
2009連合中央女性集会
10・30‐31  全水道青年女性部第15回女性委員会
全国女性集会の成功にむけ職場から積極的な参加を!
全水道青年女性部副部長 森山かおり
 全水道青年女性部は10月30日〜31日にかけて、第15回女性委員会を開催した。
 一日目は、東京ビッグサイトで行われた2009連合中央女性集会へ参加した。
 全体討論では会場からも多くの発言があり、「私たち労働組合の積極的な取り組みで公正・公平な労働の重要性を強く訴え、男女平等参画の推進と格差是正の実現をめざしていく」ことを全体で共有化した。
 二日目は、全水道会館において、女性委員会を開催し、2009年秋季闘争における男女共生運動方針を確認した後、来年1月に開催される第46回全国女性集会についての協議を行った。
 はじめに、今回の女性集会が九州地本の協力を得ての開催となること、また、よりよい集会を作り上げていくために前回の集会総括に基づいた改善内容を振り返るとともに、引き続き女性委員会メンバーが主体となって準備・運営を担っていくことを確認した。その後、テーマ・内容、タイムスケジュールについて、様々な意見や案が出される中で決定してきた。
 第46回女性集会が全国にいる仲間との交流や意見交換を通じて有意義な学習の機会となり、今後の活動へと繋げていけるよう、女性組合員の積極的な参加で集会を成功させましょう!
 女性集会の決定事項については、下記のとおり。
 続く議題として、全水道内での女性活動・男女共生運動の活性化のため、女性委員会として継続した取り組みを展開させていくことを目標に、この間取り組んできている「ワーク・ライフ・バランス」について、今回、各地本で作成したチェックリストが持ち寄られた。それらを活用しながら今後もこの課題についての取り組みを展開していくとともに、全水道としてのチェックリストの作成をめざしていくことを確認し、議事を終了した。
10・21 国土交通省副大臣、政務官 全水道下水道政策要請行動
下水道政策要求書提出・水基本法などで意見交換
 全水道は、10月21日に、下水道政策要求について国土交通省副大臣、政務官に要請を行った。全水道からは、岡崎副委員長、西川書記長、岡書記次長、岩崎下水道政策委員会座長が出席。また、武内民主党参議院議員に同席頂き現場からの政策要求実現にむけ、ご協力頂いた。
 要求書を前原国土交通大臣宛に提出し、馬淵副大臣、藤本政務官と個別に全水道の掲げる下水道政策を説明するとともに、水が「国民の共有財である」こと、「水基本法」などについて忌憚なく意見交換した。
 全水道から要請した内容は以下の通り。

国土交通省・馬淵副大臣
 馬淵副大臣に対しては、岡崎副委員長から、「今回は直接には下水道に係る要求・要望、今後の意見交換をお願いしたい。国際的にも国内的にも水を巡っては大変な時代に入っている。私達は、各地方自治体の水道・下水道業務に携わる、公営企業で働くもので構成する労働組合であり、『水は基本的人権』『水は公共の共有財産』を思想哲学として、政策論議をしてきた」ことなどを説明し要求書を提出した。
 西川書記長からは、10年前から「水基本法制定」を要求してきたこと。
 下水道については、本格的な維持管理の時代に突入していること。合併浄化槽も含めて、流域単位で水質管理をトータルでたてるべきであること。省庁を超えて、水の管理全体に関して責任を取る、責任が取れる技術者の配置と「水は個人のものではない」という思想を基本に、「公」での確立という体制が必要であること。単に自分たちの立場を作るということだけではなく、水全体の中で住民も含んで参加していただいて流域の中でそういったシステムを作っていかないといけないこと。などを説明した。
 馬淵副大臣からは「皆さんのご指摘の部分を取りながら、新しい予算の在り方を平成22年度予算の中で取り組んでいきたい」「皆さんは現場にいるわけだから、こんなことが必要だと言うことをこれからも言っていただきたい」と見解が示された。

国土交通省・藤本政務官
 藤本政務官に対しても同様に、岡崎副委員長から、「水は、世界的にも国内的にも21世紀の戦略物資としての議論がある。特に、我々としては、近年多国籍企業が途上国を中心に商売をしているが、きちんとしたスタンスを持たないといけない」「国内における仕事だけでなく、国際的な視野も含めて、水の側面から出来ることがあれば、我々の考える水基本法の制定を含めて具体的な手立てを考えなければならない」「政務官は、民主党水プロジェクトの事務局長を務められており、水全体に関するマネージメントしていく仕事を公式、非公式にお願いしたい」等と付け加えて、要求書を提出した。
 西川書記長からは、下水の関係法が4つあること。維持管理の時代になっているが、地域にはばらつきがあること。全体のトータル、流域も含めて管理体制についてどうするのかが問われていること。等の説明を行った。
 岩崎下水道政策委員会座長からは、一元的に対応をしなければならないことについて、「公共下水道が普及しているところ。未普及だけれど合併浄化槽がある。全く未普及のところ。とそれぞれあるが、公共下水道を普及していることと合併浄化槽を整備していくことは、大都市だろうが中小都市だろうがどんな市町村にかかわらず享受するということをやっていかなければ、国民としての共通利益はありえない。下水道の要求となっているが、労働組合のたて方としては一元的に行政として対応してもらいたい。下水道を中心として合併浄化槽あるいは農業集落・排水処理施設、こういったものを一元的に行政として行っていくことが大切である」「下水道法・浄化槽法、産業廃棄物処理法、で管理しているが、一元化した法律にしていかないと縦割り行政がなかなか変わっていかない。その上に立って法律も行政も組織もそのように変えていく、そして維持管理も丁寧に行うこと。河川に放流するまでは行政責任を持って処理処分をしていかないと、環境に大きく影響が出る」等の考え方を示し、その上に立って、今日の要求書のそれぞれの要求項目になっていることを説明した。
 岡書記次長からは、「水道下水道ともに共通するが、敷設をしたときは住民の方から施設分担金を徴収して、補助も入れる。しかし、施設更新をする場合にまるまる下水道収入・水道収入でやっていかなければならなくなると財政が乏しい地方にいけばいくほどそれが出来ない。そのお金をどこから捻出してくるのか。そういったことも含めて縦割り行政でなく、一貫した施策を打ってほしい」ことなどについて、藤本政務官に要請・説明を行った。
 藤本政務官からは「言われるように、水は色々な省庁にまたがっている、重要なことについては閣僚委員会で検討・構想することになっている」「水の関係では水資源局とかがやるべきところだが、水のマネージメントとか政策を今までやれてこなかった。そこのところは変えなければと思っている」「『水は重要』だからといって、(水ビジネスなどの)危険なところへ行くこともある」「海外(全くベースのない)に日本の技術なりノウハウを提供しながら発展途上国に貢献していくことは必要ではないか」等の見解が示された。
 その上で、全水道の水基本法(案)についても提出し、理解を求めた。
対話と協調の世界を求め
市民政治の新時代に憲法理念の実現をめざす
第46回護憲大会を11・1‐3に長野で開催
 第46回護憲大会は、「対話と協調の世界を求め、市民政治の新時代に憲法理念の実現をめざす第46回大会」を正式名称に、長野県長野市のホクト文化ホールをメイン会場として、11月1日から3日までの日程で開催された。長野県での開催は1965年の第2回大会以来44年ぶりとなり、全水道も全国各地から参加した。

 開会総会は、2,800人の参加のもと行われ、「善光寺木遣り保存会」の木遣り唄のオープニングの後、開会。
 主催者を代表して江橋実行委員長は、政権交代により「政治の中で憲法理念を実現していく可能性が開かれてきた」と指摘。つづいて中山喜重長野県実行委員長の地元あいさつ、山本幸司連合副事務局長、福島みずほ社会民主党党首(内閣府特命担当大臣)、平岡秀夫民主党衆議院議員の連帯あいさつが行われた。福島党首は、改憲手続法が来年5月に施行されることに触れ、「社民党が連立政権の一員である限り憲法審査会は動かさない」と述べた。また、腰原愛正長野県副知事、鷲澤正一長野市長の来賓あいさつ、また出席された照屋寛徳社民党衆議院議員、服部良一社民党衆議院議員、中山千弘連合長野事務局長、高島陽子民主党長野県総支部連合会・広報局長(長野県議会議員)、森田恒雄社民党長野県連合副代表(長野県議会議員)が紹介された。
 引き続いて「対話と協調の世界を求め、市民政治の新時代に」を主題としたシンポジウムでは、福島みずほ社会民主党党首、平岡秀夫民主党衆議院議員をパネリストに、江橋崇平和フォーラム代表(法政大学教授)をコーディネータ役として討論された。
 平岡さんは民主党が掲げる「政策決定の政府一元化」を説明し、市民団体などの運動は「政策決定の上で大変重要。新しい仕組みのなかでしっかり受け止めていく」と述べた。福島さんは、労働者派遣法の抜本改正や在日米軍基地再編の見直しなど、民主、社民、国民新の与党3党合意を実現していくには「現場の運動と国会の政治をどうつなげていくかだ」と指摘し、「現場の力を高め、国民の力で政策を転換させよう」と呼びかけた。
 第2日の11月2日は、午前から「非核・平和・安全保障」、「教育と子どもの権利」、「歴史認識と戦後補償」、「人権確立」、「地球環境」、「地方主権・市民政治」、「憲法―議会制民主主義の再生をめざして」の7分科会、「松代大本営地下壕見学と真田城下町の歴史散策ツアー」、「信州上田・人権と不戦の誓いツアー」の2フィールドワーク、午後には、「男性も女性も生きやすい新しい男女共同参画社会を〜ジェンダー平等社会へ」、「信州から沖縄問題を考える」、「映画『花はどこへ行った』」 の3つの「ひろば」 全国基地問題ネットワーク学習交流集会、特別分科会「運動交流」が行われた。
 このうち「地球環境」では、藤井石根明治大名誉教授は、温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比25%削減するとの鳩山首相の方針に触れ「これまでは経済第一主義で環境対策に後ろ向きだったが、政権交代を受け、やや方向が変わりつつある」と評価。「戦争は最大の環境破壊」と指摘し、憲法9条に基づく平和国家として国際貢献する必要性を訴えた。
 また、未来バンク理事長の田中優さんは、「戦争や紛争が行われている地域のすべてに石油・鉱物資源・海底油田・天然ガス・パイプラインの5つの資源があり、戦争の引き金となっている。戦争を避けるためには自然エネルギーへのシフトが重要。軍事をなくす議論をしなければ環境は語れない。化石燃料に依存する大企業は今や恐竜となり、日本を滅ぼすのみならず地球を自殺の惑星にしている。自然エネルギーへの転換には我々が主人公になる時代を作らなければならない」と訴えた。
 最終日は、閉会集会が行われ普天間基地問題をはじめ5つの特別報告が行われ、藤本事務局長から大会のまとめがされた後、大会アピールを採択して閉幕した。

次年度護憲大会は宮崎県で開催
部落解放研究第43回全国集会 10・24‐26
人権や平和を求める思いを世界の人々と共有しよう
 10月24日(土)から26日(月)にかけて、「差別・貧困・格差を打ち破る『平和・人権・福祉』の研究・実践を進めよう」を集会テーマに、広島県福山市「ローズアリーナ」を中心に部落解放研究全国集会が全国から5,000人が集い開催された。
 集会初日の全体集会は、清水中央共闘事務局長(日教組)の開会あいさつで始められ、主催者を代表して部落解放同盟の組坂繁之委員長は、民主・社民両党が衆院選で内閣府の外局として人権救済機関設置を公約したことに触れ、「与党は一日も早く人権侵害救済法案をまとめ、超党派でつくりあげてもらいたい。また、政治変革のうねりを生かしながら人類初の被爆地である広島県での開催となった全研集会を成功させ、人権や平和の確立を求める熱い思いを世界の人々と共有しよう」と訴えた。
 沖和史・現地実行委員長は「平和と人権を確立するため活発な議論と研究、交流を深めていただきたい」と述べ、来賓を代表し城納一昭副知事と羽田皓・福山市長があいさつ。また、坪井直・県被団協理事長が核廃絶を呼びかける特別アピールを行うなどした。
 特別講演では、大阪大の志水宏吉教授(教育社会学)から、家族や地域と子どもとの「つながり格差」が、学力格差の背景にあると指摘。大阪府の旧同和教育推進校で学力が向上したとの2007年の調査結果を紹介し、「広くノウハウを伝えるべきだ」とする講演がおこなわれた。
 最後に川崎卓志解放同盟広島県連委員長から、広島県における差別問題や市の施設を使わせないとする自民党議員の妨害などを乗り越えて福山市での開催に至った経過など地元報告が行われ初日の集会は閉会した。
 2日目は、九つの分科会に加え、福山市のホロコースト記念館や広島市の原爆資料館でフィールドワークが実施された。
 最終日は、日本弁護士連合会の藤原精吾弁護士「国内人権機関・制度要綱と設立の意義」、熊沢誠甲南大学名誉教授「格差社会で働くこと」、友永健三部落解放人権研究所所長「国際人権諸条約と部落問題」についての特別報告を受け、全国集会は閉幕した。

注:ホロコースト記念館
 第2次世界大戦中のヨーロッパで、ただユダヤ人であるという理由で600万の生命が奪われ、差別と迫害を受け、ガス室などで無残に虐殺された。その中には150万もの子供たちが含まれていた。この「ホロコースト」(ナチスによる大虐殺)を知ってもらうために日本で最初につくられた記念館。
11・8 普天間基地即時閉鎖、辺野古基地建設反対
沖縄県民と連帯し東京で集会を開催
 オバマ米大統領の来日に合わせ、11月8日(日)午後2時から、鳩山政権とオバマ米大統領に沖縄の声を強くアピールするため、沖縄県・宜野湾市海浜公園の屋外劇場とその周辺で「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」を3万人の参加で開催した(次号詳報)この沖縄の県民大会に連帯し、各地で行動が取り組まれた。
 東京では同日午後2時から、東京・水谷橋公園で「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」主催による集会、“鳩山とオバマにモノ申す!普天間基地を即時閉鎖し、辺野古新基地を断念せよ”が開かれ、労働組合や市民団体の仲間等多数が参加した。
 集会は、参加団体の取り組み、決意報告を受け、水谷橋公園から銀座を通り、日比谷公園までデモ行進に出発。参加者たちがそれぞれ独自のプラカードや横断幕を掲げ、基地のない日本、世界にしようと市民に訴えた。
 集会・デモ行進終了後、参加者は、アメリカ大使館への抗議・申し入れを行った。各団体・各自などで抗議・申し入れ書を作成し、普天間基地即時閉鎖、辺野古基地建設断念を直接訴えた。
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