月例給・一時金ともに据え置き
1日7時間45分・1週38時間45分  勤務時間を改定
自宅に係る住居手当見直しは本年見送り 08人事院勧告
 人事院は8月11日に内閣総理大臣と衆参両院議長に対して2008年の勧告と報告を行った。この勧告は、5日の委員長クラスによる人事院総裁交渉での回答である「7日の勧告」が突然延期されたうえで実施されたものである。勧告内容は、月例給と一時金の改定見送り、われわれの反対を無視して本府省業務調整手当を新設、住居手当の見直しは先送りしたものの自宅に係る住居手当は来年の勧告に向けて廃止を検討する、などとなっており、勤務時間については1日当たり7時間45分、1週間当たり38時間45分とする労働時間短縮、非常勤職員の処遇に関して給与決定に関する指針の発出などについても勧告・報告した。

 全水道は2008年の賃金闘争を08春闘よりスタートさせ、地方確定闘争に大きな影響を与える人事院勧告期闘争を闘ってきた。これまで3次にわたる全国統一行動や2次の中央行動をはじめとする中央・地方における大衆行動を背景に公務員連絡会に結集して取り組みを進めてきた。また、公務員人件費削減の焦点が地公労働者に据えられている現状を踏まえて、春闘期より地公部会に結集して全人連申し入れや総務省交渉などに積極的に参加するとともに、人勧期の闘いのなかで地公労働者への影響が大きい自宅に係る住居手当廃止反対を掲げて取り組みを進めてきた。  公務員連絡会は、8月5日の委員長クラスによる人事院総裁交渉の後に企画・幹事合同会議を開催して到達点を確認し、第4次全国統一行動の実施を決定した。また、6日には代表者会議を開いて、声明や政府申し入れ内容、08秋闘の骨子などを確認した。さらに、勧告日の突然の延期という事態を受けて8日には公務員連絡会事務局長が人事院給与局長交渉を実施し、この交渉を踏まえて8日にあらためて代表者会議を開いて、突然の勧告延期という事態の整理とそのうえでの新たな勧告日、声明や要求書の取り扱い、政府への要求提出行動、12日を中心とした第4次全国統一行動の実施などを確認した。
 あわせて、8日の代表者会議では、こうした勧告の延期が「無駄ゼロ」等の総人件費削減の動向や政治的思惑と結びついたものであっては絶対にならないことから、勧告の取扱いをめぐる秋の情勢がとりわけ厳しいことを踏まえ、不退転の決意で秋季闘争を進める決意を全体で確認し、19日の企画・幹事合同会議で秋闘方針を具体化することとした。

人事院総裁交渉
 8月5日、公務員連絡会委員長クラス交渉委員は、人事院総裁と交渉を持ち、本年の勧告内容に関わる回答を引き出した。この回答を受けて、代表者会議を開いて公務員連絡会としての勧告に対する態度を確認し、当面の取り組み方針を決定することとしているが、勧告後、官房長官や総務大臣など主要な給与関係閣僚に対して、直ちに勤務時間短縮の勧告を実施する閣議決定を行うよう要求する予定。
 人事院総裁交渉の冒頭、福田議長が「6月20日に本年の人勧期要求を提出し、今日まで事務レベル交渉を積み上げてきた。勧告直前でもあるので、本日は総裁から直接回答をいただきたい」としたのに対し、総裁は(1)月例給、一時金は据え置き、(2)自宅に係わる住居手当廃止は見送り、(3)勤務時間を1日7時間45分、1週38時間45分に改定、などの回答を示した。
 福田議長が、「勧告が早期に実施されるよう、全力で取り組むが、人事院としても最大限の努力をしていただきたい」と、重ねて努力を求め、交渉を締めくくった。

全人連に申し入れ
 公務員連絡会地方公務員部会は8月12日、人事院勧告を受けて全人連に対する申入れを行った。地公部会側は、佐藤議長をはじめとする地公部会幹事会メンバーが出席、全人連側は、内田会長をはじめ、都道府県人事委員会のブロック代表及び政令市人事委員会の代表者が対応した。
 冒頭、佐藤議長は、要請書を手交し、「勧告は、月例給・一時金据え置きで、組合員の生活実態から見て極めて不満。住宅手当の持ち家廃止について本年は見送られたが、住宅手当は生活関連手当であり、国と地方では職員の住宅政策は根本的に異なる。賃金水準の改善、標準的給与確立、臨時・非常勤職員の処遇改善など、課題は山積している。十分に協議する場を継続し、各人事委員会においても各組合と率直な交渉・協議を」と申入れの趣旨を述べた。
 引き続き、藤川事務局長が要請書の内容を説明し、全人連の努力を求めた。
 申し入れをうけ内田会長は、「要請の趣旨に十分考慮しながら、中立かつ公平な第3者機関として使命を果たしていきたい」と回答した。
公務員連絡会 声明
(1) 人事院は本日、月例給・一時金の改定を据え置く一方、所定勤務時間を1日当たり7時間45分とすることなどの報告・勧告を行った。
 2008人事院勧告期の取組みに当たってわれわれは、公務員給与の社会的合意の再構築と交渉による賃金・労働条件決定制度の確立を基本的課題と位置づけながら、(1)月例給与の改善勧告(2)非常勤職員の処遇改善(3)所定勤務時間を7時間45分とする勧告、などの実現を重点課題に設定し、2次の中央行動や3次の全国統一行動を実施して、公共サービスキャンペーン、公務員制度改革に対する取組みとも連携した闘いを進めてきた。

(2) 本年の勧告において、民間実勢を反映したものとはいえ、月例給与の改定を見送ること、交通用具使用者の通勤手当の引上げを見送ることについては、ガソリンの値上げ、諸物価高騰の下で組合員が生活改善への強い期待を持っていたことからすれば、不満といわざるを得ない。他方、人事院が厳しい見解を示していた中で、一時金の水準が維持されたことは、われわれが最終段階まで粘り強く取組みを進めてきた結果である。
 また、本府省業務調整手当は、(1)恒常的長時間勤務の解消を優先して取り組むべきであること(2)職務給の原則から見ても給与制度上大きな問題があること、などから反対してきたことを無視して、一方的に新設勧告を行ったことは遺憾である。住居手当の本年見直しを見送ったことは、われわれの取組みの結果であるが、人事院が報告で来年勧告の強い意向を示したことを踏まえ、より厳しい情勢の下、引き続き十分な交渉・協議と合意を求めていかなければならない。

(3) 本日、人事院が行った所定勤務時間の見直し勧告は、91年の週休二日制勧告以来の勤務時間短縮勧告であり、われわれが休憩・休息時間見直しの際に一体的解決を求め、本年の最重要課題として取り組んできた成果である。公務を巡る情勢は厳しいが、公務員の所定勤務時間を民間企業の勤務時間に合わせるものであり、人事院勧告が労働基本権制約の代償機能であること、政府が進めるワークライフバランス確保の観点からも、政府は直ちに勧告通り実施する閣議決定を行い、勤務時間法の改正法案を臨時国会に提出すべきである。
 超過勤務の実効ある縮減も重要な課題である。本年報告で他律的業務の縮減策として指摘されている「上限目安」は実効性に疑義があることから、幅広い角度から、われわれと十分交渉・協議を行い、合意のもとに実効性のある縮減方策の検討を行うべきである。

(4) 報告で指摘されている非常勤職員の給与決定の指針の発出は、われわれの3年間の取組みの成果として確認できるが、これは問題解決に向けた一歩に過ぎず、非常勤職員等の位置づけや雇用確保に向けて、さらに取組みを強化していく必要がある。
 給与の地域間配分や能力・実績主義への対応、高齢雇用の実施に伴う給与のあり方の検討が報告されているが、政府の総人件費削減の要請に応えるものであってはならない。とりわけ、高齢雇用の実現は極めて重要な課題であり、研究会における施策の取りまとめを含めて、われわれとの十分な交渉・協議、合意を強く求めるものである。

(5) 秋の臨時国会をめぐっては、与党の「無駄遣い撲滅」を背景とした公務員給与バッシングが強まり、公務員労働者にとって厳しい情勢は継続すると見ておかなければならない。財政再建路線を明確化した第2次福田内閣の下では、公務員給与・総人件費削減政策が強まることは必至である。また、地方分権改革に関わる国の出先機関見直しも年末にかけて大きな山場を迎えることになる。透明で納得性のある人事評価制度の確立も来年の本格実施に向けて、引き続き重要な課題である。
 われわれは、秋季闘争でこうした厳しい情勢を十分認識し、(1)雇用確保と総人件費削減政策に対する取組み(2)勤務時間見直しの実現(3)地方財政危機下にある地方公務員給与の確定、の3つを大きな柱として、取組みを推進する決意である。これから本格化する独立行政法人、政府関係法人等の闘いにおいても統一闘争態勢を堅持した取組みを進めることとする。
 また、連合・公務労協に結集し、労働基本権の確立を含む公務の労使関係制度の抜本的改革など公務員制度改革と、良質な公共サービス確立の取組みを全力で進めていくものである。

2008年8月11日
  公務員労働組合連絡会
08勧告全水道の評価と判断
中央・地方での取り組み強化で
地方確定闘争の前進を勝ち取ろう
闘いの構造
(1) 公務員攻撃が引き続き展開され、公務員労組への組織的な攻撃も強まるなかでの08人勧期の闘いであった。また、08春闘の各種調査結果から見て、民間の月例給与の相場は昨年同様に「賃金改善」の傾向は明確であるものの、ベア分は微増に止まっていること、一時金についての民間動向は昨年末が横ばいかマイナス傾向であり、今夏が横ばい程度とすれば、支給月数の引下げとなる危険性は大きいという厳しい情勢での取り組みとなった。
(2) 公務員労働者をめぐる特徴的な情勢としては、(ア)国家公務員制度改革基本法が169通常国会で修正可決し、非現業公務員の協約締結権回復に向けて検討が新たなステージで開始されることとなったこと。しかし、公務員制度改革が国家統治機構の再編の一環として進められ、非現業公務員の協約締結権の回復が行政改革のなかに位置づけられていることの限界とそれによる権利の実質的後退に注意しなければならないこと (イ)行政改革、総人件費改革等の動向や社会保険庁問題の中で、分限解雇攻撃を跳ね除けて雇用保障の闘いを推進する状況にあったこと(ウ)08骨太方針は06・07骨太方針を引き継いで財政再建至上主義を踏襲するとともに「ムダ・ゼロ」を標榜して行政責任放棄の姿勢を改めて強調したこと (エ)地方公務員をめぐっては地方財政、地方行革、財政再建法など状況がさらに厳しくなっていること、などが挙げられ、この情勢の下で08人勧期闘争に取り組むこととなった。
(3) このような情勢を受けて公務員連絡会は、公務員給与の社会的合意の再構築と交渉による賃金・労働条件決定制度の確立を基本的課題と位置づけながら、(ア)月例給与の改善勧告 (イ)非常勤職員の処遇改善 (ウ)所定勤務時間を7時間45分とする勧告、などの実現を重点課題に設定し、2次の中央行動や3次の全国統一行動を実施して、公共サービスキャンペーン、公務員制度改革に対する取組みとも連携した闘いを進めてきた。
(4) 一方、地方公務員にとっては、公務員賃金が従来の社会的合意を崩されながら削減され、地方公務員賃金が削減の焦点となる中での闘いとなった。制度は国公準拠で水準は地域民間賃金とする攻撃が強まるなかで、技能労務職賃金削減が強められ、地方公営企業職員の賃金制度と決定にも影響を与えようとされている。厳しい地方財政状況の中で、集中改革プランを上回る地方行革・人員削減が行われようとしている。財政健全化法の実施により新たに不採算事業の放棄や縮小、人員削減や人件費削減攻撃が展開されるおそれがある。
 このようなことから全水道は、08人勧期から確定期の闘いの基調を次のように定めて取り組みを進めてきた。
 ● 霞ヶ関の中央官僚を頂点として技能労務職を最下層に位置づける公務員賃金の不当な序列化を許してはならない。
 ● 中期目標である地公給与標準確立を展望して地公部会に結集して人勧期、確定期の闘いを推進するとともに、産別として08秋季産別統一要求を提出して、人事院の「非常勤職員給与ガイドライン(案)」も活用しつつ非常勤職員の待遇改善を含んで、賃金労働条件、そして事業の公営原則防衛に向けて、労働2権を有する労働組合として奮闘する。

勧告の評価
(1) 月例給の改定の見送りは、民間実勢を反映したものとはいえ、生活関連物資や公共料金をはじめとした諸物価高騰の中で、組合員の生活改善への期待に応えることができなかったものである。また、交通用具使用者の通勤手当の引き上げについても見送ったことは同様に不満といわざるを得ない。
  一方一時金については、粘り強い取り組みの結果、人事院が厳しい見解を示していた中で水準を維持することとなった。
(2) 勤務時間の短縮については、休憩・休息時間見直し問題と一体的な解決を求めてきたことからすれば当然のことではあるが、本年の最重要課題として取り組んできた結果であり、ワーク・ライフ・バランスの観点からも、公務員バッシングを跳ね除けて閣議決定と勤務時間法の改定を実現しなければならない。
(3) 住居手当については本年の見直しは見送られたが、人事院は自宅に係る住居手当については来年の勧告に向けて廃止を検討することを明らかにした。自宅に係る住居手当の問題は、国公と地公の住宅政策の違いとともに地公にとっては配分の問題ではないことから地公部会を中心に廃止反対の取り組みを進め、公務員連絡会全体の取り組みの結果として本年の見直しを阻止したものである。引き続き地公部会に結集して08人事委員会勧告での見直し勧告の阻止の取り組みを強めるとともに、09人事院勧告に向けて公務員連絡会とともに取り組みを進める必要がある。
(4) 非常勤職員等の処遇改善については人事院は給与決定に関する指針を発出するとしたが、これは問題解決に向けた第一歩に過ぎない。人事院も触れたように政府全体の課題として幅広く検討を進めるよう求めるとともに、全水道も産別内での非常勤職員等の処遇改善に向けて08秋季産別統一要求をはじめ取り組みを強めなければならない。
(5) 本府省業務調整手当については、恒常的な長時間勤務の解消が優先課題であり給与制度上も問題であることから反対してきたが、それを無視して勧告を強行したものである。本府省業務調整手当は全水道としても、公務員賃金の序列化の一つとも考えられることから許容できるものではない。
(6) 給与構造改革期間終了後の取り組みに触れているが、地域間の配分のあり方の検討は地域間格差の拡大につながること、能力・実績主義の一層の推進と人事評価制度の必要な見直しは競争と分断による公務員人件費の一層の削減を図るものであること、新たな高齢雇用について60歳前も含めた給与水準と給与体系のあり方の検討については生涯賃金の抑え込みと総人件費削減を図るものであるとすれば許容できるものではない。
(7) 勧告日の突然の延期という事態についても触れておかなければならない。勧告日については5日に行われた委員長クラスによる人事院総裁交渉の中で「勧告日は7日」と回答されたものである。たしかに回答では「7日の予定」とされているが、公務員連絡会と人事院の最高責任者の間で行われた交渉での回答であってその意義は重いものである。「予定」とは交渉上の表現に過ぎず実質的に「7日の勧告」を意味するものであり、事実この間そのように取り扱われてきたものである。これが突然6日夜になって延期が通告されたものであり、最高責任者間での確認が実行されなかったとの重要な事態を招いたと理解すべきものである。
 この突然の延期により、勧告後の主要閣僚への要請行動や地公部会による全人連への要請行動のキャンセル、第4次全国統一行動の延期をはじめとした単組・職場における諸準備の中断など多方面にわたり影響と混乱が生じた。
 8日に行われた公務員連絡会事務局長と人事院給与局長との交渉で給与局長は、「6日に官邸から福田総理の日程を取れなくなったとの連絡を受け、日程の再調整を行うこととなり、結果として急な変更となった」と延期理由を説明し、「職員団体の皆さんが、組織的な準備を行い、現場で混乱が生じたことについては重く受け止めている」との考え方を示した。
 しかし、このような勧告日の突然の延期は前代未聞であり、理由の如何を問わず、労働基本権制約の代償措置としての人事院勧告制度が軽視され、人事院勧告の実行が阻害されたことを意味するものである。また、公務員連絡会と人事院の最高責任者間の確認が実行されなかったという点で、両者の信頼関係を極めて損なう事態が引き起こされたということである。
 昨年、政府による官民比較方法の見直し再要請という人事院への介入が行われたが、政府の消費税増税による財政再建政策に対応した公務員賃金の更なる削減攻撃が強められる状況にあることは明らかである。勤務時間法の改定のみならず、公務員の人件費や労働条件の切り下げ圧力が閣議決定と国会の場においてさらに強まるものと認識しなければならない。まして、公務員人件費削減は地公賃金削減をターゲットに進められていることから、地公賃金の確定闘争は極めて厳しい条件の中での闘いとなることを認識して取り組みを進めなければならない。

全水道の判断
 全水道は第3回中央執行委員会を8月5日から11日まで勧告に向けた状況の進展に対応しつつ断続的に開催してきた。公務員連絡会の声明や政府への申し入れなどを確認するとともに、上記の評価を踏まえて、08人事院勧告・報告を08人勧期闘争の到達点と受け止め、勤務時間法の改定など今後の闘いを進めることを確認した。
 地方公務員の08賃金闘争はこれからが本番であり、公務員人件費の削減の焦点がわれわれに据えられていることを充分認識し、地方公営企業職員・技能労務職員への賃金削減攻撃や自宅に係る住居手当廃止など攻撃を跳ね返すべく、地公部会に結集して総務省交渉、全人連への対応、各人事委員会への対応など、中央・地方で取り組みを強化するとともに、08産別統一要求をもとに地方確定闘争の前進を図ることとする。
派遣労働者保護の強化へ
連合が労働者派遣法改正へ集会を開催
 7月30日、厚生労働省前で、連合の主催による「労働者保護の視点で労働者派遣法改正を求める厚生労働省前激励集会」が開催された。この集会は、厚生労働省の労働政策審議会労働力需給制度部会において、次の臨時国会にむけた労働者派遣法見直しの論議が再開されることを受けておこなわれたもので、300人を超える構成組織の仲間が結集した。
 主催者あいさつにたった古賀事務局長は、「労働者派遣制度の相次ぐ規制緩和によって、さまざまな問題が顕在化している。この問題は、日本の社会全体の問題として、企業、行政、政治そして労働組合が、それぞれの役割を自覚し、取り組まなければならない。派遣労働者の保護を強化するためには、小手先の改正ではなく、抜本改正でなければ納得できない。先に出された研究会報告の内容にとどまらず、内容を前進させていくため全力を挙げる」と、連合要求の実現を強く訴えた。
 つづいて、需給制度部会の労働側委員である長谷川・連合総合労働局長と市川・JAM政策・政治グループ長が、それぞれ審議会に臨む力強い決意を述べた。
 その後、自動車総連、情報労連、連合東京の代表が各組織における取り組みの決意と激励のあいさつを行い、最後に、参加者全員のシュプレヒコールで要求実現を訴えた。
○全水道民間部会第4回定期総会
公益法人制度改革など活発な論議を行う
全水道民間部会会長 住田 幸夫
 8月2日に全水道民間部会定期総会が全水道会館で開催されました。5地本7単組、本部から佐藤委員長、岡崎副委員長、佐々木書記を加えて総数14人の参加がありました。
 鳥居運営委員(近東:京都水協)を司会、議長に萩原運営委員(九州:福岡水公)を選出し始まりました。
 最初に民間部会を代表して住田部会長(近東:大阪水協)が挨拶をおこない、7月1日にこれまでの財団法人大阪市水道サービス協会から株式会社大阪水道総合サービスに経営形態が変更になったなど、この間の取り組み経過を述べられました。
 続いて、本部佐藤委員長から、先日の定期大会で引き続き執行委員長の任につくことになったこと、地公三単産組織統合問題、非正規雇用者に関する取り組み経過など、激励の挨拶を受けました。
 その後、参加者全員の自己紹介を行い、今回から新しく運営委員になった日立水道検診員労組の佐野委員長、京都市水道サービス協会職員労組の鳥居委員長から、就任の挨拶がされ、議事に入りました。
 一般経過報告及び運動方針について一括して部会長から提起を受け質疑討論を行いました。
 定期総会の議案については全員の拍手でスムーズに承認され、その後、それぞれの組織課題についての報告を受けその論議が活発に行われました。特に公益法人制度改革について、前回の運営委員会の中で状況報告がされましたが、いよいよ各単組に対する今後の動きが出てくる中で、法律が施行され五年間の経過処置の間に、公益財団法人で行くのか一般財団法人で行くのか、選択を迫られてきます。組合としてはそのことの問題よりも、公益法人制度改革の名を借りて、これまでの勤務労働条件の切り下げをしようとすることが予測され、十分注意をして取り組むことが必要であることです。
 四国地本から特別報告を受けた高松市水道サービス公社における合理化攻撃の状況報告は、まさに公益法人制度改革に便乗したものであると考えられます。
 また、メータ検針を取り組むところでは、ガソリンの高騰の影響を受け、契約金額では赤字になってしまうことから、単価の見直しを要求しているが、予算の壁に阻まれなかなか認めてもらえない状況や第一環境やジェネッツなど大手の水道関連企業が参入してきている中ではあまり無理なことも言えないなどの報告を受け、根っこの深い問題が出されました。
 今後、民間部会としてどのような支援行動が可能なのか検討していくことを確認しました。
 毎回、制限時間一杯あるいはオーバーしてまで話が尽きない民間部会の会議ですが、次回を京都市で開催することを確認し総会を終えました。
核も戦争もない平和な21世紀を!
被爆63周年原水爆禁止世界大会開かれる
 被爆63周年原水爆禁止世界大会は、8月4〜6日広島大会、7〜9日が長崎大会として開催された。「核も戦争もない社会」を実現するために、それぞれの総会は核兵器廃絶2008平和大会実行委員会(原水爆禁止日本国民会議・日本労働組合総連合会・核兵器禁止平和建設国民会議の3団体で構成)の主催により開催された。

 広島大会開会総会は、県立総合体育館大アリーナに6、500人が結集し、高木大会実行委員長(連合会長)の主催者挨拶、広島県知事・広島市長の来賓挨拶に始まり、海外代表の紹介と代表挨拶がされた。続いて被爆の実相を風化させないため、被爆者からの生々しい、そして今なお闘病生活を余儀なくされている切実な訴えが行われた。さらに今回は特別企画として、広島ジュニア・マリンバ・アンサンブルによる平和コンサートも設定され、子供達自身による「核のない平和な21世紀」を目指すアピールが行われた。閉会にあたっては「原爆を許すまじ」が合唱され、二度と悲惨な戦争の悲劇を繰り返してはならないことが参加者全体で誓い合われた。翌日からは、原水禁主催による16の分科会設定と討議、関連企画や子どもの広場などが催され、最終日の閉会総会を含め3日間の全日程が進められた。
 長崎大会開会総会は、長崎県立総合体育館メインアリーナに4、200人が参加し、古賀連合事務局長の主催者代表挨拶、長崎県知事・長崎市長挨拶に始まり、海外来賓紹介と代表挨拶がされた。続いて被爆者の訴えや高校生平和大使報告など切実な訴えが行われ、構成詞「親子で綴る平和の願い」が参加者全体の大きな拍手に包まれる中、閉会となった。
 翌日からは原水禁主催で、各分科会討議やフィールドワーク・佐世保基地めぐりなどが行われ、最終日の閉会総会と非核平和行進をおこない、3日間の全日程を終了した。
 一方、一連の世界大会に先立ち、恒例の全水道平和祈念集会が開催された。
 63年前、一瞬のもとに尊い命を奪い去られた広島市水道部職員83人の先輩達の慰霊碑の前で「核廃絶と世界の恒久平和を築き直す」ことが誓い合われた。

副執行委員長 岡崎 徹
◇被爆63周年全水道平和祈念集会◇
核廃絶にむけて運動強化と連帯を
全水道広島水労財政部長 山田 八州太郎
 8月4日、全国から139人の仲間がヒロシマに集い、被爆63周年全水道平和祈念集会を開催しました。
 最初に、本部の岡崎副委員長より「63年前私たちの先輩83人が一瞬に消された事実を私たちは忘れない。そういった惨禍の中で広島の先輩たちは水を供給し続けた。63年前を思い浮かべながら、この事を忘れず風化させず様々な闘いにいかしていく事を誓いたい。昨今東北アジアでは危険な状況が進行している。横須賀を母港化しようとする米国の原子力空母ジョージ・ワシントンは深刻な事故を起こし母国に帰還している。また、佐世保ではイージス艦が入港する動きがあり国際社会に対し専制的な様相を呈している。改めてこれらを許さず取り組みを強化しなければならない」と挨拶を受けました。
 続いて広島県被団協事務局長で語り部の木谷さんの話しをうかがいました。木谷さんは4歳のとき東京から疎開で広島に避難しているときに、爆心地から2・8kmの自宅で被爆され同居していた身内3人が亡くなられた。
 当時の広島は軍都で山の上には敵を撃ち落とすための大砲や敵の飛行機を見つけるためのサーチライトがあった。また、似島には海外から帰ってきた兵隊が伝染病にかかっていないか検査する陸軍の検疫所があった。
 8月6日の朝には爆弾投下により町が燃え広がるのを防ぐ防火帯を作るために、約8、400人の中学1・2年生が動員され外で作業を行っていたので、多くの学生が亡くなったそうです。
 その他、多くの当時の様子を語っていただき、最後にヨハネパウロ2世が平和公園で行った平和アピールを紹介し講演を終えました。
 その後、水道部職員殉職の碑の前で『全水道平和祈念集会宣言』を確認し、参加者全員で献花を行い、殉職された83人の冥福を祈ると共に「核廃絶と世界の恒久平和に向けて前進する」ことを誓い合いました。
 全水道平和祈念集会後は、全国からヒロシマに集結した仲間、約3、000人で平和公園から県立体育館まで「折鶴平和行進」をおこない、原水禁・連合・核禁会議主催による「核兵器廃絶2008平和ヒロシマ大会」に参加しました。
 被爆63年を迎え核について考えるとき、核に対してあまりにも寛容になってきている事に改めて気づかされました。今集会で確認した反核・平和の原点『ヒロシマ』の思いと、われわれを取り巻く現状を照らしながら運動の点検・強化、そして継承をしていかなければならないと感じました。
全国の闘う仲間と反戦・平和!反核を訴える
核と人類は共存できない
全水道佐世保水労青年女性部長 有馬 俊秀
 7月27日、「米核空母『ロナルド・レーガン』佐世保寄港反対!九州ブロック集会」が、長崎県・佐世保市の島瀬公園で開催されました。マスコミの報道では、米核空母『ロナルド・レーガン(102、000t)』が7月28日に佐世保港へ寄港することが明らかになったことから、地域の仲間と共に「現地闘争本部」を立ち上げ、具体的な闘いを展開してきました。佐世保港への原子力空母寄港は、今年2月の核空母「ニミッツ」に次いで2隻目、通算10隻目です。
 現地闘争本部においては、寄港前段の街頭宣伝活動や全国各地より参加された約1000人による「核空母レーガン佐世保寄港反対九州ブロック集会」、寄港当日(7月28日)21隻90人の乗員による果敢な海上阻止闘争、入港後は厳しい暑さの中での連日の「座り込み行動」、そして出港日の「追い出し集会」(8月1日)など連日・連夜にわたる抗議行動を行い、マスコミを通じて「核空母」の危険性と反戦・平和の闘いの重要性をアピールしてきました。
 佐世保が米軍の先制攻撃戦略に対応する空母寄港基地として強化されることを断固許さず、横須賀への核空母「ジョージ・ワシントン」の配備など、日米軍事一体化(米軍再編)の一翼を担わされ、また「非核三原則」の空洞化、核慣らしなど、市民生活より軍事的な動きが優先される危険性が強まることに反対するものです。
 私たちは、「核と人類は共存できない」という基本理念のもと、全国の仲間と連帯し「核も基地もない平和な社会」をつくるため、さらなる組織体制の再構築を図ることとします。
 佐世保の地域から、原子力空母寄港・母港化阻止!全国の闘う仲間と共に決起し、反戦・平和!反核!を訴えていきます。
○戦争犠牲者追悼・平和を誓う集会
戦没者慰霊碑に反戦・平和をあらためて誓う
 敗戦から63年後の8月15日、東京・千鳥ヶ淵の国立戦没者墓苑で、フォーラム平和・人権・環境の主催による「戦争犠牲者追悼・平和を誓う集会」が開催され、各団体の代表など約200人が参加しました。
 集会はまず、参加者全員の黙とうに続いて、江橋崇・平和フォーラム代表による「誓いの言葉」が述べた。続いて、川内博史・民主党衆議院議員、福島瑞穂・社会民主党党首(参議院議員)がそれぞれ「誓いの言葉」を述べ、土井たか子・元衆議院議長(衆議院議員)をはじめ各団体代表、参加者全員による献花が行われました。全水道からは、久保田書記長が代表献花をしました。
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